患者視点で見た「わかりにくいクリニック」


はじめに

「サイトは見たはずなのに、よく分からなかった」
「何となく不安で、予約をやめた」
「問い合わせするほどではないけれど、決めきれなかった」

患者がクリニックを選ばない理由は、必ずしも不満や価格ではありません。
多くの場合、“分からない”という感覚が残っただけです。

患者視点で見ると、わかりにくいクリニックには共通する構造があります。


患者は“情報量”ではなく“理解のしやすさ”で判断する

医療機関の情報発信は、「不足しないように」と情報を増やしがちです。

しかし患者が求めているのは、情報の多さではありません。

  • 自分が対象か

  • 何をすればいいか

  • どこまで分かれば十分か

理解のしやすさです。 情報が多くても、整理されていなければ「わかりにくい」と感じられます。


共通点① 入口で迷う

わかりにくいクリニックでは、最初の一歩から迷いが生まれます。

  • 初診・再診の違いが分かりにくい

  • 対象となる症状が曖昧

  • 自分は予約していいのか判断できない

入口で迷った患者は、その時点で離脱候補になります。


共通点② 流れが見えない

患者が最も不安を感じるのは、この先どうなるか分からない状態です。

  • 予約後の流れ

  • 当日の所要時間

  • 検査や診察の進み方

流れが断片的にしか示されていないと、患者は「想像する負担」を強いられます。


共通点③ 判断を患者に委ねている

わかりにくいクリニックでは、判断が患者側に残されています。

  • どのメニューを選ぶか

  • どの検査が必要か

  • どの程度の症状で来るべきか

医療機関側が導かない限り、患者は「間違えたくない」という不安から動けません。


共通点④ 不安が後出しになる

料金や制約、対象外条件などが後半にまとめて書かれているケースも多く見られます。

患者にとっては、「最後まで見ないと判断できない」状態です。 不安が後出しになる構造は、決断を遅らせ、離脱を招きます。


共通点⑤ 問い合わせ前提の設計

「詳しくはお問い合わせください」という表現は、一見親切です。

しかし患者視点では、判断を保留された状態になります。

  • 問い合わせるほどではない

  • でも決めきれない

この層が、静かに離脱します。


わかりやすいクリニックで起きていること

わかりやすいクリニックでは、患者は迷いません。

  • 自分が対象かすぐ分かる

  • 次の行動が明確

  • 不安が事前に解消される

  • 判断を委ねられない

結果として、患者は自然に前に進めています。


「わかりにくさ」は現場では見えにくい

わかりにくさの厄介な点は、院内では気づきにくいことです。

  • スタッフは理解している

  • 知っている前提で話が進む

  • 専門用語が自然に使われる

その結果、患者との認識のズレが生まれます。


DXは「わかりやすさ」を設計するためにある

DXというと、効率化や自動化に注目されがちです。 しかし本質は、患者の理解コストを下げることにあります。

ツールを入れても、構造が整理されていなければ、わかりにくさは解消されません。


まとめ

患者視点で見た「わかりにくいクリニック」とは、情報が足りない場所ではありません。 迷い・判断・不安が患者に残っている場所です。

もし今、「反応はあるのに決まらない」と感じているなら、
説明を増やす前に、構造を見直してみてください。

RE:MEDでは、現場と経営の両面を理解したメンバーが、
患者視点での“わかりやすさ”を構造から設計する支援を行っています。

医療を、仕組みで整える。
その設計を、私たち RE:MEDメンバー がご一緒します。


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執筆者情報


川越 雄太(かわごえ ゆうた)
医療経営コンサルタント/株式会社REFOLMO 代表取締役/RE:MED代表

クリニックの経営側・現場・事業会社・コンサルという複数の立場を行き来しながら、
医療がうまく回らなくなる構造を現場で見続けてきた。

自費・オンライン診療クリニックでは事務長/COOとして経営に参画し、
売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までを横断して担当。

現在は、医療を構造から捉え直すためのメディア/実践の枠組みとして「RE:MED」を運営し、
発信とあわせて、医療機関へのハンズオン型コンサルティングを行っている。

2026/01/20 07:00 -

患者視点で見た「わかりにくいクリニック」


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