小規模クリニックほど「設計」が重要な理由


はじめに

「うちは小規模だから、設計までは手が回らない」
「人数が増えてから考えればいい」
「大きい法人向けの話でしょう?」

小規模クリニックほど、こうした声を多く耳にします。
しかし実際には、真逆です。

小規模クリニックこそ、設計の良し悪しがそのまま経営と現場に直結します。
設計を後回しにすると、負担は一気に“人”に集中します。


小規模=余白がない


小規模クリニックの最大の特徴は、余白がほとんどないことです。

  • 人数が少ない

  • 役割が重なる

  • 一人欠けると回らない

この状態で設計が弱いと、トラブルや例外が出た瞬間に、現場は簡単に崩れます。 大規模組織のように「誰かがカバーする」余地がないからこそ、設計が重要になります。


設計不足は、即「属人化」につながる

小規模クリニックで設計が弱いと、次の流れが非常に速く起きます。

  • 分かる人が対応する

  • 判断が一部の人に集まる

  • 「あの人がいないと回らない」

これは努力や責任感の結果ではなく、構造的にそうならざるを得ない状態です。 人数が少ないからこそ、属人化のスピードは加速します。


人数でカバーできない分、設計で支える

大規模組織では、

  • 役割分担

  • 専任配置

  • 二重チェック

といった「人数による安全装置」があります。

一方、小規模クリニックでは、それを人数で用意できません。

だからこそ、

  • 判断基準

  • 業務の流れ

  • 例外の扱い

設計で補う必要があります。


設計がないと、院長と優秀な人に集中する

小規模クリニックで設計が弱い場合、負担は必ず次の人に集まります。

  • 院長

  • 事務長

  • 経験の長いスタッフ

これは偶然ではありません。判断と責任の受け皿がそこにしかないからです。

結果として、

  • 院長が現場を離れられない

  • 優秀な人ほど疲弊する

という構造が生まれます。


小規模だからこそ「あとで整える」が通用しない

よくある誤解が、「落ち着いたら整えよう」という考え方です。

小規模クリニックでは、

  • 落ち着くタイミングが来ない

  • 人が増える前に限界が来る

  • 問題が人に蓄積する

ということがほとんどです。

設計を後回しにすると、整える前に人が辞めるという事態になりがちです。


設計は“完璧”である必要はない

ここで重要なのは、完璧な設計を目指すことではありません。

小規模クリニックに必要なのは、

  • 迷わない

  • 判断が揃う

  • 引き継げる

この最低限が成立する設計です。

これだけで、

  • 現場の静けさ

  • 院長の余力

  • 人の定着

は大きく変わります。


小規模クリニックで優先すべき設計ポイント


すべてを一気に整える必要はありません。優先順位は明確です。

  1. 判断が発生する業務

  2. 例外が多い業務

  3. 人によって対応が変わる業務

この3点から設計することで、効果は最短距離で出ます。


DXは「小規模だからこそ設計とセット」

小規模クリニックでは、DXの影響もダイレクトです。

  • 設計が弱いままDX → 混乱が拡大

  • 設計が整った上でDX → 効率が一気に上がる

ツールは魔法ではありません。
小規模だからこそ、設計の差が顕著に出ます。


まとめ


小規模クリニックほど、設計は「余裕ができてからやるもの」ではありません。 余裕を生むために、最初にやるものです。

もし今、「人が少なくて回らない」「院長や特定の人に負担が集中している」と感じているなら、 人数を増やす前に、設計を見直してみてください。

RE:MEDでは、小規模クリニックの現実を踏まえた上で、
人に無理をさせない最小限の設計を支援しています。

医療を、仕組みで整える。
その設計を、私たち RE:MEDメンバー がご一緒します。


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執筆者情報


川越 雄太(かわごえ ゆうた)
医療経営コンサルタント/株式会社REFOLMO 代表取締役/RE:MED代表

クリニックの経営側・現場・事業会社・コンサルという複数の立場を行き来しながら、
医療がうまく回らなくなる構造を現場で見続けてきた。

自費・オンライン診療クリニックでは事務長/COOとして経営に参画し、
売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までを横断して担当。

現在は、医療を構造から捉え直すためのメディア/実践の枠組みとして「RE:MED」を運営し、
発信とあわせて、医療機関へのハンズオン型コンサルティングを行っている。

2026/01/20 07:00 -

小規模クリニックほど「設計」が重要な理由


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