現場改善が経営成果につながらない原因
はじめに
「現場はかなり良くなったはずなのに、数字が動かない」
「業務改善を続けているが、経営成果が見えない」
「現場の満足度は上がったが、売上や利益に反映されていない」
医療機関では、現場改善と経営成果が噛み合わないという悩みが頻繁に起こります。
このとき、「改善の方向が間違っているのではないか」と考えられがちですが、 問題は努力の量や質ではありません。
改善と成果がつながる“構造”が存在していないこと
それが最大の原因です。
現場改善=経営改善 ではない
まず前提として押さえるべきことがあります。
現場改善は、自動的に経営成果につながるものではありません。
業務が楽になった
ミスが減った
スタッフの不満が減った
これらは重要な変化ですが、経営成果そのものではありません。
両者をつなぐ“設計”がなければ、改善は現場で止まります。
原因① 改善が「点」で終わっている
現場改善が成果につながらない組織では、改善が点で行われています。
一部の業務だけ改善
特定の人の負担だけ軽減
その場の困りごとを解消
点の改善は、現場を一時的に楽にしますが、全体構造は変わりません。 結果として、経営数値には影響が出にくくなります。
原因② 経営指標と接続されていない
多くの現場改善は、「良くなった感覚」で評価されています。
忙しくなくなった
クレームが減った気がする
回りやすくなった
しかしこれらが、
来院数
来院率
稼働率
単価
人件費率
とどう結びつくかが整理されていないと、経営成果として可視化されません。
原因③ 改善のゴールが“現場止まり”
現場改善のゴールが、
楽になること
回るようになること
で止まっている場合、経営成果にはつながりません。
本来のゴールは、
余力が生まれる
判断スピードが上がる
院長や管理者が次の手を打てる
ここまで設計されて初めて、経営成果につながります。
原因④ 改善が人に依存している
改善がうまくいっているように見えても、その裏で特定の人が支えているケースがあります。
改善内容を理解している人が限られる
回し方を知っている人がいる
結局、その人がいないと回らない
この状態では、改善は再現されず、成果は広がりません。
原因⑤ 改善の「次の一手」が用意されていない
現場改善は、単体では経営成果になりません。
改善 → 余力が生まれる
余力 → 次の施策に使う
次の施策 → 成果につながる
この連鎖設計がないと、改善は“良いことをした”で終わります。
経営成果につながる現場改善で起きていること
現場改善が経営成果につながっている医療機関では、次の状態が揃っています。
改善の対象が構造単位
数字との接続点が明確
生まれた余力の使い道が決まっている
人に依存しない形で定着している
結果として、
集患が安定する
現場負荷が増えない
院長が経営判断に集中できる
という循環が生まれています。
現場改善は「経営の準備運動」
現場改善は、経営成果そのものではありません。
経営成果を生むための準備運動です。
準備運動だけを続けても、試合には勝てません。 しかし、準備運動なしで成果を出すこともできません。
DXで成果が出ない理由も同じ
DXを入れたのに成果が出ない場合も、構造は同じです。
改善が点で終わる
数字と接続されない
次の一手がない
DXは、改善を拡張する装置です。
設計がなければ、成果も拡張されません。
まとめ
現場改善が経営成果につながらない原因は、努力不足でも、改善内容の問題でもありません。
改善と成果をつなぐ構造が存在していないことです。
もし今、「改善は進んでいるのに数字が動かない」と感じているなら、 改善を止める前に、その改善がどこにつながるのかを見直してみてください。
RE:MEDでは、現場改善を“経営成果につなげる構造”まで含めて設計する支援を行っています。
医療を、仕組みで整える。
その設計を、私たち RE:MEDメンバー がご一緒します。
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執筆者情報
川越 雄太(かわごえ ゆうた)
医療経営コンサルタント/株式会社REFOLMO 代表取締役/RE:MED代表
クリニックの経営側・現場・事業会社・コンサルという複数の立場を行き来しながら、
医療がうまく回らなくなる構造を現場で見続けてきた。
自費・オンライン診療クリニックでは事務長/COOとして経営に参画し、
売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までを横断して担当。
現在は、医療を構造から捉え直すためのメディア/実践の枠組みとして「RE:MED」を運営し、
発信とあわせて、医療機関へのハンズオン型コンサルティングを行っている。




