紙と電話から抜け出すための“導線設計”入門
はじめに
「電話が鳴り止まない」
「紙の問診票が山積みになっている」
「FAXや手書きのやり取りが、いつまでもなくならない」
多くの医療機関で、こうした光景はいまだ日常です。
デジタル化やDXという言葉が浸透しても、現場は相変わらず“紙と電話”に縛られているというケースは少なくありません。
しかし、この状況は「スタッフが慣れているから」「患者が高齢だから」という理由だけで続いているわけではありません。 本当の原因は、紙と電話に依存せざるを得ない“導線”が残ったままになっていることにあります。
なぜ紙と電話はなくならないのか
紙と電話が残り続ける理由は、デジタルツールが不足しているからではありません。 多くの場合、次のような構造が存在しています。
どこから連絡すればいいのか分からない
情報の入口が複数あり、整理されていない
例外対応が多く、その場で確認が必要になる
判断基準が人に依存している
この状態では、紙と電話は「最も確実な手段」として残り続けます。 つまり、紙と電話は問題の原因ではなく、構造が整っていない結果として使われているのです。
“導線設計”とは何か
ここでいう導線設計とは、単にツールを置き換えることではありません。 導線設計とは、人と情報が、迷わず流れる道をつくることです。
医療機関における導線には、大きく2つがあります。
患者導線
スタッフ導線
この2つが交差するポイントに、紙と電話が発生しやすくなります。
患者導線が整理されていないと起きること
患者導線が曖昧な場合、患者は必ず「確認」を求めます。
予約は電話なのか、Webなのか
事前に何を準備すればいいのか
当日はどう動けばいいのか
これらが分からないと、患者にとって最も確実なのは「電話すること」です。 つまり、電話が多い医療機関ほど、患者導線が不明確だと言えます。
スタッフ導線が曖昧だと紙が増える
一方で、スタッフ導線が整理されていないと、紙が増え続けます。
どの情報をどこで確認するのか決まっていない
例外が多く、メモを残さないと不安
情報がツール間で分断されている
この状態では、紙は「安心材料」として使われます。 紙を減らそうとしても、安心できる導線がない限り、紙はなくなりません。
紙と電話を減らす第一歩は「入口を絞ること」
導線設計の第一歩は、とてもシンプルです。 入口を減らすこと。
予約の入口
問い合わせの入口
情報提供の入口
これらが複数ある限り、確認・転記・例外対応は必ず発生します。 入口を整理することで、紙と電話が発生する“起点”を減らすことができます。
導線を整えると現場はどう変わるか
実際に導線を見直した医療機関では、次のような変化が起きています。
電話対応が自然に減る
紙の管理が不要になる
情報の探し物がなくなる
新人でも迷わず動ける
ここで重要なのは、「無理に減らそう」としていないことです。 導線が整った結果として、紙と電話が“使われなくなる”状態が生まれます。
ツール導入の前に必ず考えるべきこと
紙と電話から抜け出そうとすると、つい「どのツールを入れるか」に目が向きがちです。 しかし、ツールの前に考えるべきことがあります。
どこで迷いが生まれているのか
なぜ確認が必要になっているのか
どの判断が属人化しているのか
これを整理しないままツールを入れると、紙がデジタルに置き換わるだけで、本質的な改善にはつながりません。
なぜ導線設計がDXの土台になるのか
DXとは、デジタル化そのものではありません。迷いを減らし、流れをつくることです。 導線設計ができていない状態でのDXは、紙をデータに変えただけ、電話をチャットに変えただけになりがちです。
導線が整って初めて、デジタルは力を発揮します。
まとめ
紙と電話は、現場が悪いから残っているわけではありません。 迷いをなくす導線が設計されていないから、紙と電話が必要とされ続けているのです。
もし今、「紙と電話を減らしたいが、どうすればいいか分からない」と感じているなら、
まずは導線を見直すところから始めてみてください。
RE:MEDでは、現場と経営の両面を理解したメンバーが、
医療機関ごとの状況に合わせて導線を整理し、紙と電話に依存しない運営への移行を支援しています。
医療を、仕組みで整える。
その第一歩を、私たち RE:MEDメンバー がご一緒します。
読み終えた今、整理しておきたい方へ
本記事の内容について、
「自院の場合はどう整理すればいいのか」
「今の判断が合っているのかを一度確認したい」
と感じた方へ。
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答えを出す場ではなく、考えを言語化するための壁打ちの時間です。
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執筆者情報
川越 雄太(かわごえ ゆうた)
医療経営コンサルタント/株式会社REFOLMO 代表取締役/RE:MED代表
クリニックの経営側・現場・事業会社・コンサルという複数の立場を行き来しながら、
医療がうまく回らなくなる構造を現場で見続けてきた。
自費・オンライン診療クリニックでは事務長/COOとして経営に参画し、
売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までを横断して担当。
現在は、医療を構造から捉え直すためのメディア/実践の枠組みとして「RE:MED」を運営し、
発信とあわせて、医療機関へのハンズオン型コンサルティングを行っている。
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