業務が人に依存する組織・仕組みに依存する組織
はじめに
「この仕事は◯◯さんじゃないと分からない」
「仕組みはあるはずなのに、結局人に聞いている」
「ツールを入れたのに、現場は楽になっていない」
医療機関の現場では、“人に依存する組織”と“仕組みに依存する組織”が混在しています。
そして多くの場合、問題は「人に依存していること」そのものではありません。
どこに依存しているかが、無自覚なことです。
「人に依存する組織」は悪なのか
まず前提として、人に依存すること自体が必ずしも悪いわけではありません。
経験
判断力
現場感覚
医療の現場では、人の力が不可欠な場面は確実に存在します。 問題は、依存すべきでない業務まで、人に依存していることです。
人に依存する組織で起きていること
業務が人に依存している組織では、次のような状態が日常化しています。
判断基準が人の頭の中にある
例外対応が個人の経験に委ねられている
情報の場所を人が覚えている
引き継ぎが口頭になる
この状態では、業務は回っているように見えて、再現性がありません。
人に依存する組織の“強さ”と“脆さ”
人に依存する組織は、短期的には強く見えます。
柔軟に対応できる
トラブルに強い
何とかしてくれる人がいる
しかし同時に、次のような脆さを抱えています。
休めない
育たない
辞めると崩れる
これは、個人の問題ではなく構造の問題です。
「仕組みに依存する組織」とは何か
一方で、仕組みに依存する組織とは、人を信用していない組織ではありません。
仕組みに依存するとは、判断・流れ・情報の拠り所が人ではない状態です。
判断基準が共有されている
例外の扱いが整理されている
情報の置き場所が決まっている
人は、その仕組みの中で力を発揮します。
仕組みに依存する組織で起きていること
仕組みに依存している組織では、次のような変化が見られます。
誰がやっても一定の結果が出る
判断に迷う時間が減る
引き継ぎが成立する
人が休める
これは、人を軽視しているのではなく、人を守っている状態です。
よくある誤解:「仕組み=ツール」
ここで注意したいのが、仕組み=ツールという誤解です。
ツールを入れても、
判断が人に残っている
例外がツール外に逃げている
運用ルールが曖昧
この状態では、ツールに依存しているようで、実は人に依存しています。 仕組みとは、ツールの前にある設計です。
人に依存する業務・仕組みに委ねる業務
すべてを仕組みにすればいいわけではありません。
重要なのは、どこを人に、どこを仕組みに委ねるかです。
判断が必要ない定型業務 → 仕組み
迷いが生じやすい業務 → 判断基準を仕組み化
人の裁量が必要な場面 → 人に任せる
この切り分けができていないと、依存は必ず歪みます。
仕組みに依存できない組織の特徴
仕組みに依存できない組織には、次の共通点があります。
業務が分解されていない
例外が整理されていない
ゴールが曖昧
忙しさが常態化している
この状態で仕組みを作ろうとしても、使われずに終わります。
人に依存しない=人を排除する、ではない
「人に依存しない組織」と聞くと、 冷たい印象を持つことがあります。
しかし実際は逆です。
人が無理をしない
人が育つ
人が続けられる
人を活かすために、仕組みに依存する。 それが、健全な組織です。
まとめ
業務が人に依存する組織と、仕組みに依存する組織の違いは、効率の話ではありません。 人を消耗させるか、守れるかの違いです。
もし今、「特定の人がいないと回らない」「仕組みはあるはずなのに回らない」と感じているなら、 人を変える前に、依存の置き場所を見直してみてください。
RE:MEDでは、現場と経営の両面を理解したメンバーが、
人と仕組みの役割を正しく分ける組織設計を支援しています。
医療を、仕組みで整える。
その設計を、私たち RE:MEDメンバー がご一緒します。
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本記事の内容について、
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執筆者情報
川越 雄太(かわごえ ゆうた)
医療経営コンサルタント/株式会社REFOLMO 代表取締役/RE:MED代表
クリニックの経営側・現場・事業会社・コンサルという複数の立場を行き来しながら、
医療がうまく回らなくなる構造を現場で見続けてきた。
自費・オンライン診療クリニックでは事務長/COOとして経営に参画し、
売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までを横断して担当。
現在は、医療を構造から捉え直すためのメディア/実践の枠組みとして「RE:MED」を運営し、
発信とあわせて、医療機関へのハンズオン型コンサルティングを行っている。



