LINEを入れても問い合わせが減らない理由


はじめに

「LINEを導入したのに、問い合わせが減らない」
「電話がLINEに置き換わっただけで、対応量は変わらない」
「むしろLINE対応が増えて、現場が忙しくなった」

医療機関でLINEを導入したあと、こうした声を聞くことは少なくありません。

LINEは、患者とのコミュニケーションを円滑にする便利なツールです。 しかし、LINEを入れただけで問い合わせが減ることは、ほとんどありません。

その理由は、LINEが悪いからでも、現場の使い方が間違っているからでもありません。 原因は、問い合わせが生まれる“構造”が変わっていないことにあります。


問い合わせは「不便」より「迷い」から生まれる

多くの医療機関では、「問い合わせが多い=不便だから」と考えがちです。

しかし実際には、問い合わせの多くは不便さではなく、迷いから生まれています。

  • どこを見ればいいのか分からない

  • どこから進めばいいのか分からない

  • 自分のケースが当てはまるか分からない

この迷いが残ったまま、連絡手段だけをLINEに変えても、問い合わせは減りません。


理由① LINEが「入口」になっていない

LINEを導入しても問い合わせが減らない現場では、LINEが導線上の“入口”として設計されていません。

  • 電話もLINEもWebも並列

  • どれを使うべきか案内されていない

  • ケースごとの使い分けがない

この状態では、患者は迷い、結局LINEで質問します。 LINEが入口ではなく、質問箱になってしまっているのです。


理由② 事前に解消できる情報がLINEに集まっている

LINEで届く問い合わせの中身を見ると、次のようなものが多くあります。

  • 予約方法の確認

  • 当日の持ち物

  • 対応可否の確認

これらは本来、問い合わせ前に解消されるべき情報です。 しかし、それが導線上に組み込まれていないと、LINEは「説明する場」になり、対応は減りません。


理由③ 判断がLINE対応者に委ねられている

LINE対応が増えている現場では、判断基準が整理されていないケースが多くあります。

  • これは対応していいのか

  • 医師に確認が必要か

  • 例外として受けていいのか

判断がその場任せになると、LINE対応は長引き、やり取りの回数も増えます。


理由④ LINEが「例外処理の受け皿」になっている

LINEは手軽で柔軟な分、例外が集まりやすいという特徴があります。

  • Web予約がうまくいかなかった

  • 通常フローに当てはまらない

  • 電話しづらい内容

これらがすべてLINEに集まると、LINEは業務を軽くするどころか、 業務を集約する場所になってしまいます。


問い合わせが減るLINE運用で起きていること

問い合わせが減っている医療機関では、LINEを“万能ツール”として使っていません。

  • 入口が明確

  • LINEの役割が限定されている

  • 事前に迷いが解消されている

結果として、LINEで質問する必要がなくなっています。


LINEは「減らすための道具」ではない

LINEを導入すると、「問い合わせを減らしたい」という期待が生まれます。 しかし、LINEは問い合わせを減らすための魔法ではありません。

迷いを減らす構造が先にあり、その上でLINEが機能するという順番が重要です。


DXは連絡手段を変えることではない

DXという言葉のもとで、電話をLINEに置き換えるだけでは、本質的な改善にはなりません。

DXとは、迷いを生まない構造をつくることです。 LINEは、その一部にすぎません。


まとめ

LINEを入れても問い合わせが減らない理由は、ツールの問題ではありません。 問い合わせを生み出す構造が、そのまま残っているからです。

もし今、「LINE対応が増えてしまっている」「現場が楽になっていない」と感じているなら、
LINEの使い方を変える前に、導線と判断基準を見直してみてください。

RE:MEDでは、現場と経営の両面を理解したメンバーが、
LINEを“問い合わせ対応の場”ではなく、運営を支える導線の一部として設計する支援を行っています。

医療を、仕組みで整える。
その設計を、私たち RE:MEDメンバー がご一緒します。


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執筆者情報


川越 雄太(かわごえ ゆうた)
医療経営コンサルタント/株式会社REFOLMO 代表取締役/RE:MED代表

クリニックの経営側・現場・事業会社・コンサルという複数の立場を行き来しながら、
医療がうまく回らなくなる構造を現場で見続けてきた。

自費・オンライン診療クリニックでは事務長/COOとして経営に参画し、
売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までを横断して担当。

現在は、医療を構造から捉え直すためのメディア/実践の枠組みとして「RE:MED」を運営し、
発信とあわせて、医療機関へのハンズオン型コンサルティングを行っている。

2026/01/20 07:00 -

LINEを入れても問い合わせが減らない理由


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