「今は広告を打つタイミングじゃない」と言えるコンサルが少ない理由
はじめに
「集患が落ちているので広告を強化しましょう」
「まずは広告を回して反応を見ましょう」
「数字が足りないので、CPAを上げてでも出稿を」
医療機関の相談において、広告は最初に出てくる打ち手になりがちです。
しかし現場を見ていると、本当はこう言うべきタイミングが少なくありません。
「今は、広告を打つタイミングではありません」
それにもかかわらず、この一言をはっきり言えるコンサルは、決して多くありません。
広告は「一番わかりやすい打ち手」
広告が提案されやすい理由は、 非常にシンプルです。
効果が数字で見える
動きが早い
提案しやすい
仕事として成立しやすい
広告は、説明しやすく、合意を取りやすい手段です。
だからこそ、構造の整理よりも先に出てきます。
しかし広告は「増幅装置」にすぎない
重要な前提があります。
広告は、何かを“良くする”装置ではありません。
今ある構造を、そのまま増幅する装置です。
受け皿が弱ければ、混乱を増幅する
現場が詰まっていれば、疲弊を増幅する
期待値設計が甘ければ、不満を増幅する
広告を打って問題が出るとき、それは広告の失敗ではありません。
「広告を止めましょう」と言いづらい構造
ではなぜ、
「今は広告を打つべきではない」とはっきり言えるコンサルが少ないのでしょうか。
理由は、コンサル個人の資質よりも構造的な要因にあります。
理由① 広告は“成果物”として分かりやすい
広告は、
出稿金額
獲得単価
クリック数
といった形で、成果物が明確です。
一方、構造整理や運営改善は、
効果が見えるまで時間がかかる
数字に直結しにくい
説明が難しい
そのため、提案として選ばれにくくなります。
理由② 広告を止めると「何もしない」ように見える
広告を止める判断は、外から見るとこう映ります。
動いていない
攻めていない
何もしていない
実際には、裏で構造を整えていても、それは見えません。
「止める提案」は、価値を伝える難易度が高いのです。
理由③ 広告は“逃げ道”になりやすい
現場に課題があるとき、
オペレーションが詰まっている
クレームが増えている
スタッフが疲弊している
これらと正面から向き合うのは、時間も覚悟も必要です。
広告は、それらから一時的に目を逸らせる便利な逃げ道にもなります。
理由④ 広告で失敗しても「言い訳」ができる
広告がうまくいかなかった場合、
市場が悪かった
タイミングが悪かった
競合が強かった
と説明できます。
一方、構造設計の失敗は、言い訳がききません。
この差も、広告に寄りやすい理由です。
広告を打つべきでないタイミング
現場を見ていると、明確に「今ではない」状態があります。
予約〜来院までの導線が詰まっている
受付・初動対応が安定していない
問い合わせ対応が属人化している
現場に余白がない
この状態で広告を打つと、成果ではなく歪みが増幅されます。
「打たない判断」ができるコンサルの条件
「今は広告じゃない」と言えるためには、次の視点が必要です。
現場を見ている
数字だけで判断しない
短期成果より中長期を見ている
広告以外の打ち手を持っている
つまり、マーケではなく運営構造まで見ているかどうかです。
広告を打たない期間は「準備期間」
広告を止めることは、撤退ではありません。
受け皿を整える
判断を構造化する
現場に余力をつくる
この期間があるからこそ、広告は“効く”ようになります。
本当に価値があるのは「待てる提案」
短期的には、広告を打った方が“動いている感”は出ます。
しかし本当に価値があるのは、待つべきときに、待てる提案です。
それは、クライアントの未来を短期成果より優先している証拠でもあります。
まとめ
「今は広告を打つタイミングじゃない」
この一言が言えない理由は、能力不足ではありません。
広告が最も提案しやすい構造になっていること
これが本質です。
もし今、「広告を打っているのに、現場が苦しい」「集患すると疲弊する」と感じているなら、
広告を強める前に、一度立ち止まって構造を見直してみてください。
RE:MEDでは、広告を“万能な打ち手”として扱いません。
打つべきか、待つべきかを含めて判断する支援を行っています。
医療を、仕組みで整える。
その判断を、私たち RE:MEDメンバー がご一緒します。
読み終えた今、整理しておきたい方へ
本記事の内容について、
「自院の場合はどう整理すればいいのか」
「今の判断が合っているのかを一度確認したい」
と感じた方へ。
状況整理を目的とした30分の無料相談(オンライン)を行っています。
答えを出す場ではなく、考えを言語化するための壁打ちの時間です。
▶︎ 無料相談のご予約はこちら(所要時間:約30分/オンライン)
「今の判断が合っているのかを一度確認したい」
と感じた方へ。
答えを出す場ではなく、考えを言語化するための壁打ちの時間です。
執筆者情報
川越 雄太(かわごえ ゆうた)
医療経営コンサルタント/株式会社REFOLMO 代表取締役/RE:MED代表
クリニックの経営側・現場・事業会社・コンサルという複数の立場を行き来しながら、
医療がうまく回らなくなる構造を現場で見続けてきた。
自費・オンライン診療クリニックでは事務長/COOとして経営に参画し、
売上設計、業務フロー構築、DX導入、採用・育成までを横断して担当。
現在は、医療を構造から捉え直すためのメディア/実践の枠組みとして「RE:MED」を運営し、
発信とあわせて、医療機関へのハンズオン型コンサルティングを行っている。
.png)



